0711

行定勲監督「パレード」 [ Movie ]

Japan Society で行われている日本映画特集「Japan Cuts」で「クローズド・ノート」の行定勲監督最新作「パレード」を観てきました。これがなかなか良かった!

とあるマンションの一室で共同生活を送る普通の男女5人を通して、現代の若者のダークな内面を描いた吉田修一の同名小説を映画化。出演は藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介。

この上映では何と行定勲監督の舞台挨拶があって、上映前にイントロダクションがあり、上映後にはQ&Aセッションが行われた。写真はその時のもので、左から司会者、監督、通訳の方。

最初に行定監督が「ニューヨークで公開するなんて考えてもみないで作ったので、どういう反応か楽しみ」と、期待と戸惑いを交えてコメント。上映中は会場に広がる観客の笑いや緊張が伝わってきて、観客がさまざま反応しながら観ているのがよく分かった。

若者の日常生活を通じて、それぞれの病んだ内面が見えてくる。人間関係では本音を言い合ったり干渉したりせず、表面的で無難にやりすごしながら、ある結末に導かれてゆく。

Q&Aセッションで行定監督が話していたことで印象に残ったことがある。監督は若い頃、映画のなかに何か真実があると信じ、一本の映画から真実を探るように一生懸命観て考えた。今の若者は映像に映っているものがすべてでそれが真実だと思ってしまい、終わったらすぐに内容を忘れてしまうような観方しかしていない、と。

作品を見ただけではなく監督のお話を聞いたことで、私の中では、よりいい映画になりました。

公式サイトはこちら


0912

「歩いても、歩いても」アメリカ公開 [ Movie ]

是枝裕和監督作、阿部寛&夏川結衣主演の「歩いても、歩いても」が8月28日にアメリカで公開された。こちらでのタイトルは「Still Walking」 。ニューヨークではAngelika Film CenterとLincoln Plaza の2館で上映中だ。

Still Walking

Still Walking

実は公開予定があるのを知らずにこの間日本盤DVDで観たばかりだったのだが、最近観た中でも特に心に残っているので周囲の人にも勧めているところ。これを観た後、マンハッタンの高級焼き鳥屋で珍しく「とうもろこしのかき揚げ」があって歓喜。ほんのり夏のお盆の味がしました。

日本人もアメリカ人も、観た人は一様に「良かった」と言っている。感想をうまく言葉にするのが難しいが、感情として「良かった」と思える作品ですね。

写真右は今週のEntertainment Weekly 誌のコラムで「B-」をゲット!。EW誌の映画レーティングはいつも非常に辛いのでBマイナスはすごく良い方。「是枝監督は『東京物語』や『Junebug』の精神で日常の雑事を描きながら最後に大きな変化を持たせようとしており、滑稽で無味乾燥な描写は精密だが最小限の感情はほとんどフェティシズム的。しまいにはちょっとイライラ。」と、良くもあり不満もあるようなレビュー。

ニューヨーク・タイムス紙のレビューは相変わらず難解だがもっとちゃんとしたもので、「これは思い描かれたものではなく生きた生活で、共通の悲しみばかりでなく一緒に過ごした時間でもまた結ばれてゆく家族の姿」というような文章で締めくくっているのだが、その一緒に過ごした時間の最後、つまり映画の結末には「ガツンと来る」とも書いてある…やはり、そこですよね。

ところで本作の配給元、IFC Filmsはこのほどクライテリオンとの提携が決まったというニュースがあったばかり。これからIFC作品がクライテリオンからリリースされる予定なのだが、来年のラインアップの中には「Still Walking」も入っている!ちょっと楽しみ。


0602

「おくりびと」アメリカ公開 [ Movie ]

「おくりびと」アメリカ公開

アカデミー賞外国語映画賞を獲得した滝田洋二郎が監督作「おくりびと」(英題は「Departures」)の公開がニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴの4都市で始まった。ニューヨークではアート系の映画館3館でかかっている。
先日、日本盤DVDで「おくりびと」を観て涙した私。
金曜日のニューヨーク・タイムズ紙アート・セクションの一面に写真付レビューを見つけて思わず嬉しくなったのだが…読んでみてビックリ…ひどい。
アカデミー賞受賞への不満をぶつけただけのような理不尽なレビューだと思った。作品を冷静に評価しているとは思えない口調で書いている。

同じくノミネートされていた「The Class」や「戦場でワルツを」と比べて「全く大したことない作品」(It is perfectly mediocre all on its own. )ということから始まって、あれこれ具体的に批評をしたのち、「あまりにも無難すぎて嫌いにもなれない」(And the movie is so innocuous that you can’t really hate it.)と言った揚げ句に「先々まで読めてしまって、読みが当たったかどうか早送りボタンで確認したいと思うかもしれない。分かりきっている上にはなから信じてもいないような事を、2時間もかけて再認識するほど人生は暇じゃない」というような言葉で締めくくっている。(But every turn is signposted so far in advance that you may find yourself wishing for a fast-forward button to confirm your hunches about what’s going to happen. Life is too short to spend two hours waiting for confirmation of what you already knew and didn’t really believe in the first place.)
↑ 日本語訳はニュアンスに誤解が生じる可能性があるので参考程度にしてください。

そもそも、ニューヨーク・タイムズ紙の映画レビューはわざと難解に書いているようなことがあるのであまりアテにはしていないのだが、これはあまりにショックだった。批判するにしても上記のような言葉ではなく、専門的に書いて欲しかった。
写真右側に映っている雑誌「Entertainment Weekly」の評価もあまり良くはなく、「B-」。
一方で、Yahoo!ユーザーの評価は今の時点で「A-」。
評論家にはあまり評価はされていなくても、観客からは好評のようです。


0629

LIMIT OF LOVE 海猿 [ Movie ]

umizaru 2英題:UMIZARU 2: TEST OF TRUST
ImaginAsianにて。
2006年羽住英一郎監督作品。 伊藤英明主演。
6月16日〜7月1日の日程で行われたNew York Asian Film Festival(NYAFF) で「LIMIT OF LOVE 海猿」を観てきた。海上保安庁の機動救難隊員として海難救助の最前線で活躍する若者たちを描く。原作コミックを元に映画「海猿」が作られ、その後続編としてTVドラマ化され、今回の映画が完結編になる。
「海猿」一作目は2年前、やはりNYAFFで上映されている。その時は羽住英一郎監督をはじめ、海上保安庁の潜水士訓練生役のキャストの方々が来場し、舞台挨拶では酸素ボンベを背負って腕立て伏せを披露してくれて大いに盛り上がったし、アフターパーティで監督と少しだけお話することができた貴重な経験だった。今回も監督と主演俳優が来場予定と知り、迷わずチケットを購入。

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0614

ALWAYS 三丁目の夕日 [ Movie ]

ALWAYS 三丁目の夕日英題:Always – Sunset on Third Street
Presented by Japan Society and New York Asian Film Festival
2005年山崎貴監督作品。吉岡秀隆主演。
昨年、日本で巨大ヒットとなった「ALWAYS 三丁目の夕日」をミッドタウンにあるジャパン・ソサエティーに観に行った。今回はニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルとジャパン・ソサエティーの共同主催で、山崎貴監督も来場。上映後は全員が福引に参加できたり、ドリンクとフード(のり巻き、お団子、ポッキー)のケータリング付きレセプションも行われる素晴らしい企画だった。
ジャパン・ソサエティーのシアターは250席ほどで、映画+レセプションで15ドルのチケットは事前に完全ソールドアウト。当日はキャンセル待ちの列ができるほどの盛況ぶりだった。観客はやはり日本人が多いがアメリカ人も半分近くいる。
午後7:30開始のスケジュールから少々遅れて、ジャパン・ソサエティーのキュレーターであり日本映画翻訳家のリンダ・ホーグラント氏によって山崎貴監督が紹介される。舞台挨拶でリンダさんが山崎監督に質問したのはただ一つ。「どういういきさつでこの映画を監督することになったのですか?」

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