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この夏の最高傑作「District 9」 [ Movie ]

すごい映画を観てしまった。間違いなくこの夏の最高傑作!「District 9」。
8月14日、全米公開になった「District 9」を初日にタイムズ・スクエアの映画館で観てきました。 エイリアンSF映画というあまり好みではないジャンルに最初は興味が湧かなかったのだが、各新聞のレビューであまりにも絶賛されていたのでちょっと観てみたら、想像を超える内容に圧倒されてしまった。

この夏の最高傑作「District 9」この夏の最高傑作「District 9」

100万を超える異星人難民が宇宙船で南アフリカ・ヨハネスブルグ上空にやってきてから28年後。エイリアン隔離地区「District 9」は完全にスラム化し、蔓延する犯罪にうんざりした人類は彼らを新たな地区へ移転することを決める。エイリアン宅を巡回して退去通告を始めた国際警備機関の職員ビッカス(シャルト・コプリー)は、任務中に得体の知れない液体を浴びたことで予想外の事態に巻き込まれてゆく…。

180万人ものエイリアンが地球に住み着いたらどうなるか?その光景を現実さながらにまざまざと見せつけてくれるドキュメンタリー・タッチの映像が、怖いほどにリアルだった。(今でもあれは現実だったんじゃないかという気さえする…)

南アフリカでロケ撮影したスラム街、アドリブで俳優に演技させたというセリフ、ディテールまで隙のない映像作りで徹底したリアリズム。その映像技術の高さとアクション・シーンの迫力は、「ターミネーター4」や「トランスフォーマー/リベンジ」とはちょっと次元の違う精度だ。
そして、映画の背景にあるのは南アフリカのアパルトヘイト政策とケープタウン第6区 (District 6) のメタファー。
社会的・政治的メッセージ性、優れた演技やオリジナリティ、どれを取っても今までこれほどの映画はなかった。
その仕掛け人はというと、「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンがプロデュースしているが、監督も俳優も無名。製作費が3000万ドルほどというからこれまた驚きだ。
そこでこの映画の背景を調べてみた。


29才の新人監督、ニール・ブロムカンプは南アフリカの生まれで18才でカナダに移住している。映像作家だった彼は、ピーター・ジャクソンに見出されて2006年に大ヒット・ビデオゲーム映画化「Halo」の監督に大抜擢される。が、「Halo」は共同で製作に当たっていたユニバーサルとFOXが製作を中止してしまう。そこで彼らがハリウッド・スタジオに左右されずに自分たちで作りたい映画を作ろう、ということで取り組んだのが本作。同監督の「Alive In Joburg」という短編映画を長編化したものだ。

主演俳優のエピソードも面白い。ブロムカンプ監督は14才の時にグラフィック・デザインのアルバイトをしたらしいのだが、その時にTVプロデューサーとして彼に仕事のオファーをしたのが本作で主演を務めたシャルト・コプリーで、以来二人は友人関係にあった。コプリーは南アフリカでCMやミュージックビデオのプロデューサーをしていて、たまたまアドリブのカメラ・テストをしてみたところ、ピーター・ジャクソンも認める演技力を発揮。全く俳優経験のない彼が主役に起用されたのだ。あの鬼気迫る演技からは信じがたい…。
B級っぽい残虐なシーンも多く、プロットがちょっと弱いかなと思うところもあるのだが、それを超える驚きと感動がぎっしりのノンストップの111分。
すごいです、これは!これから世界的大ヒットは間違いなし。
日本ではまだほとんど話題にもなっていないみたいですが、公開時には必見です。

オフィシャル・サイトはこちら。

米国盤DVD/Blu-rayは2009/12/22 発売決定。

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District 9 – 予告編 :

本編の元になった短編「Alive In Joburg」(Neill Blomkamp, 6min., 2005, Canada):

そして、完成する事のなかった「Halo」プロモーション用パイロットムービー「Halo 3: Landfall」(Neill Blomkamp, 7min., 2007, USA):


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