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» 硫黄島からの手紙 [ Movie ]
原題:Letters From Iwo Jima
AMC Empire 25にて。
2006年クリント・イーストウッド監督作。渡辺謙主演。
クリント・イーストウッド監督による映画史上初の「硫黄島」二部作のうちの二作目。太平洋戦争の硫黄島での激戦をテーマに、一作目はアメリカの視点による「父親たちの星条旗」、本作は日本側から見た硫黄島の戦いを描く。
昨年12月20日にアメリカで限定公開が始まった「硫黄島からの手紙」は、当初、ニューヨークにおいてでさえダウンタウンのインディ系映画館のみの上映だった。その後、作品への評価が高まると同時にアカデミー賞作品賞のノミネートが決定し、拡大公開となってようやくミッドタウンのシネコンでもかかるようになった。
プレジデント・デーの三連休となった週末の真っ昼間のショータイム、年齢層かなり高目の客で埋め尽くされたタイムズ・スクエアのシアターで観てきた。
昨年の秋に「父親たちの星条旗」を観た時とは違い、今回はちょっと不安な気持ちを抱えて映画館へ。というのも、「硫黄島からの手紙」は、アメリカの評論家からも映画ファンからも高く評価されているものの、なかには「国辱映画だ」と怒っているアメリカ人もいる。映画館でも他の客のことなど気にせずに自分の感情をあらわにするアメリカ人だから、日本兵が殺されて歓喜の声など挙がったらいやだなと思っていた。
この映画を批判するアメリカ人が決まって言うこと--「戦争を始めたのはどっちなんだ?」
日本人は自分から攻撃を仕掛けておいて、負けた途端に被害者ぶるようになったと思っている。戦争を一方的な視点ではなく、全く違う双方の立場から理解しようとした監督の意図を分かろうともしないのだろう。
さて作品は、映画を観る前の不安はすぐに忘れてしまうほど誰もが真剣に見入っていて、素晴らしい出来だった。主演俳優たちはみなすごく良かった。渡辺謙は「ラスト サムライ」や「SAYURI」の時よりさらにひとまわり貫録がついていたし、若手の二宮和也が演じた兵士の人間らしい姿にはいろいろ考えさせられたし、泣かされた。
「ミスティック・リバー」や「ミリオンダラー・ベイビー」といった、個人が中心のドラマを作ってきたイーストウッド監督らしく、個々の体験の集約としての戦争を美化することなくありのままに捉えようとしたドラマになっていると思う。
日本語のセリフの部分には英語字幕が付いていて、かなり丁寧な翻訳であることは感じたが、セリフに「鬼畜米英」という言葉が出てきてドキッとし、字幕を見てみたら単に"They're savage." だった。"savage"は、「粗野な」とか「残酷な」という意味だが、「鬼畜米英」のような強い悪意を含んだニュアンスはない…・
アメリカ人は字幕を読むのを面倒くさがるため外国語の映画というだけで、見向きもされないことの方が多いのだが、日本語の映画がこれほど大々的に公開されていると思うだけでも嬉しかった。






