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» ユナイテッド93 [ Movie ]
United 93 (Widescreen)
2006/9/5発売 米国盤DVD
2006年ポール・グリーングラス監督作。
2001年9月11日朝。ボストン航空管制センターの係員がアメリカン航空11便の異変を察知した。応答が途絶え、航路を変えた11便にハイジャックの疑いが浮上。直ちにニューヨークの管制センターと中央管制センターに伝えられる。ニューヨークに向かった11便は、あわやデルタ航空機とのニアミス接近の直後、マンハッタン上空でレーダーモニターから姿を消してしまう。同じ頃、ニューアーク空港では、ユナイテッド93便がサンフランシスコに向けて飛び立とうとしていた・・・。
9.11テロでハイジャックされた旅客機4機のうち、2機はニューヨークのワールド・トレード・センターに、1機はワシントンの国防総省に激突炎上した。ワシントンに向かった4機目のユナイテッド93便はターゲットに達せずペンシルヴェニア州郊外に墜落。本作は、9月11日の朝、アメリカの空に異変が起きた時点から4機目墜落の瞬間までの一刻一刻をドキュメンタリータッチで再現しようと試みた作品。各地の航空管制センター、当日は訓練を行っていたNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)内部の混乱の様子から、ユナイテッド93便がテロリストにハイジャックされ、乗客が何とか墜落を食い止めようとする姿をリアルタイムですさまじい臨場感と共に描いている。間違いなく今年必見の一本。
映画技法を交えて完全にノンフィクション・ドラマ化していたオリバー・ストーン監督の「ワールド・トレード・センター」とは対象的に、ユナイテッド93便に焦点を当ててリアリズムに徹したのが本作品。監督は被害者の家族や航空関係者に綿密な取材を行い、管制センターのスタッフの何人かには実際に出演してもらって、できる限り忠実に再現しようと試みている。断片的な情報に混乱する管制センター内の人々の様子は、映画とは思えないほどリアル。
ペンシルヴェニア州に墜落したユナイテッド93便では、乗客がハイジャック犯に殺害されたことや、数人の乗客が団結して犯人と闘い、最後まで墜落を食い止めようとしていたことは何度も報道で伝えられていた事だ。誰もが結末はどうなるか知っている事件を映画化することの意義はどこにあるのか、実際に映画を観てみて痛いほどに感じた気がする。9.11テロはあのむごすぎる行為と被害の大きさに対して、未だに明らかにされていない事実が多すぎるのだ。今も「本当は何が起きたのか」を詳細に自分の目で見て知れるものならば知ってみたい、と思っている人は多いだろう。
観終わって少しの間は身動きできないほどの悲しみで一杯になってしまったが、本作は、自分の中では事件に対する一つの区切りをきちんとつけてくれた気がする。(その点で、オリバー・ストーン監督の「ワールド・トレード・センター」は、あまり心の整理にはならなかった)
作為的な部分をできる限り排除し、事件の一部を客観的に映像化して記録として残したポール・グリーングラス監督は偉大だと思うし、さすが「ブラディ・サンデー」を撮った監督、一番難しと思われる被害者の描写も、一人一人の尊厳を損なわずに、ヒロイックにせずに的確に描いていたと思う。
DVDは英語、スペイン語、フランス語それぞれ5.1ch音声と字幕を収録。特典の一つで1時間ほどのドキュメンタリー"United 93: The Families and the Film"は、乗客を演じた俳優が、それぞれ残された家族に会いに行く様子、被害者の家族の本作に対する意見や観た感想までインタビューしたもので、作品の趣旨や背景をより明確にしてくれる内容だ。英語字幕付。他には監督のコメンタリー、乗客と乗務員のバイオグラフィー、9.11で命を落とした消防士の兄弟を描いたショートフィルム"Twin Towers"の予告編収録。






