0731
サマー・セール期間は今日で終了した。が、オーダーの処理に追われるのはこれから。
今日は、月末とセール最終日と月曜日が重なって、テンテコマイに忙しかった。
おまけにこの暑さ。
気温を華氏で表しているアメリカでは100度(摂氏37.77度)になると、「3-digit」(3桁)になったと言って市長がヒート・エマージェンシーを宣言するのだが、今週は明日から3-digitに達するこの夏2度目の厳しい暑さがやってきて、真夏のピークに達するようだ。
忙しさも暑さも、今週がヤマ場には違いない。
0728
7月4日から31日までのサマー・セールの影響でコンスタントに忙しいのが7月。アメリカの大企業は夏の間はどこも金曜だけ半ドンになるので、人々はいつもよりちょっと長い夏の週末をエンジョイするのだが、小売り店はそんな余裕があるはずもなく・・・。
特に発送業務の忙しさときたらすごい。Fantasium のような小さなショップでも、毎日大量の段ボールに入った商品が届くから、それを開けて仕分けをする作業だけでもかなりの時間と労力がかかり、その後、一つ一つ丁寧に梱包する作業はどうしても簡略化できない部分だ。
忙しい時だけ臨時の梱包アルバイトを雇う選択もあるのだが、日本語ができないとダメなうえに、ひとくちに梱包と言ってもウチではかなり特殊な方法があって未経験者にはちょっと難しい。「ディスク保護」という商品のビニール包装を開封してディスクをCDパックに入れるサービスがそれで、商品を傷つけずにキレイにこれをやるには結構なスキルが必要だ。新人が入った時にはきちんと「ディスク保護」トレーニングを行っている。
そんなわけで、忙しい時こそ熟練スタッフが普段以上に頑張るもの。夏休みはもう少し先になりそうだ。
0727
7月20日〜23日にサン・ディエゴで行われていたコミコン、San Diego Comicon InternationalのDVD製作関係者たちのパネルで、「HD DVD、Blu-rayの両ハイ・デフ次世代ディスクに特典映像は必要か」ということが話題になっていたというニュースを読んだ。こんなことが問題になるのは、DVDの特典映像を作るのにはかなりコストがかかるのに対し、それだけのメリットがあるのかどうかが不透明だからだ。大手メーカーの関係者の中には、特典映像は時間もお金もかかるので、もうやめてしまいたいと考えている人もいるようだ。
最近の新作DVDは、本編だけの「通常版」とボーナスディスク付「特別版」等、エディションを分けて価格差をつけてリリースする傾向もある。特典には興味がないから少しでも安い方がいいという人には通常版があったほうがより多く売れるのだろう。メーカーはそれぞれの売れ行きを比較して市場を分析することもできる。
次世代ディスクから特典映像は消え得るだろうか?既に発売済みの次世代ディスクはというと、HD DVDでは、SD(従来のスタンダード・デフィニションディスク)と特典収録内容が全く同じであるタイトルが大部分で(「コンスタンティン」にはHD DVD特有の特典あり)、Blu-rayは特典映像が極端に少ないのが一般的だ。ただ、特典映像が少なめなのはSDが出始めた頃と同じ状況で、新フォーマットがもっと普及してくれば収録内容もユーザーの要望に沿うように徐々に変わってくるだろう。
だいたい、DVDから特典映像を完全に取ってしまう事なんてあり得ないと思うが・・。特に次世代ディスクは大容量になってより多くの特典収録をユーザーが期待しているという理由もあるが、それよりも、一本一本の映画ができた背景を含めて大切に楽しみたいという気持ちがある。本編を90分間観てそれでおしまい、で済ませようなんて寂しすぎるからDVDの特典が嬉しいのであって、一本終わったらすぐまた次の一本と、ただ流して観ていくような人はそもそもDVDを所有したりしないだろう。
3年前にブエナ・ビスタが「ez-D」というディスクでいくつかのタイトルを発売したことがあった。この特殊なディスクはパッケージを開封してから48時間以内に限って再生が可能で、48時間経つと自動的に消滅、ではなく再生ができなくなるという完全な使い捨て。価格は通常のDVDの半額以下だった。返す手間がかかるレンタルに代わるものとして開発されたようだが、大失敗に終わったのは言うまでもない。これにはメーカーとユーザーの考え方のギャップにあぜんとしたものだったが、DVDに特典は必要なのかどうか?という議論を聞いて、今日またこの「ez-D」のことを思い出していた。
0725
猛暑の影響でクイーンズ地区で停電が発生したのが先週末のこと。一戸建て、アパート、オフィスビルなど合わせて2万5000の建物で停電し、電気のない生活を余儀なくされたのは10万人とも20万人とも言われている。
停電の原因が分からないまま9日が経過した。電気は徐々に戻ってきたものの、未だに100の建物で停電したまま。停電している地域では電力会社のCon Edison(コン・エジソン)がドライアイスを配ったり、赤十字が水や食事を提供している。ここ数日は30度を超える暑さには至っていないものの、冷蔵庫もエアコンも使えない夏の停電は最悪。おまけにそれが1週間以上も続き、揚げ句の果てに原因が不明でいつ完全に復旧するのか分からないありさまだ。
この停電騒ぎ、ニュースとしてはニューヨークのローカルなトピックなのだが、あまりに深刻な状態なので、DVD業界でも話題になっていた。スーパーマーケットなど食料品を扱うビジネスとは違ってDVDは停電でも販売できないことはないが、人々が水や氷を求めて躍起になっている時にDVDはそうそう売れる筈もなく、停電している地域のDVD専門店はどこも休業を余儀なくされたようだ。
そもそも7月はアメリカの経済はスローで、みなバケーションを取るし、企業も金曜日は半日だけで午後は休みというところが多いほど。DVD業界では第四四半期の売り上げが一番大きいから、今の時期はどこものんびりしている感じだ。
今月に入って、DVDレンタル・ショップはお店の場所によってはっきり明暗が分かれているというレポートも出ている。エアコンのある裕福なエリアでは前年を上回るレンタル率だが、エアコンのない家庭の多い貧困層の住む地区では前年を下回っているそうだ。夏が暑ければ暑いほど、この差は大きくなるのだろう。
それにしても、ニューヨーク近辺では毎年必ず猛暑が原因で停電が起きている。電力会社も事前に対策を整えておくべきだろうが、使う方も節電しようなどとは誰も言わない。これじゃあ、いつまでたっても毎年同じ事を繰り返すだけだろうに。
0723
原題:Lady in the Water
Loews E-WALKにて。2006年M・ナイト・シャマラン監督作。 ポール・ジアマッティ主演。
フィラデルフィアの大型アパート”The Cove”の管理人クリーブランド(ポール・ジアマッティ)は、住人のために害虫を退治したり、壊れた電灯を修理したりと、人々の世話をしながら静かな生活を送っていた。だが彼は最近、アパートの中庭にある大きなプールのことが気になっていた。夜遅くに誰かがプールで遊んでいる気配がしたり、明らかに水質が変わったりしているのだ。ある晩、ついにプールの中の人物と対面したクリーブランドは、神秘的で何かに脅えたようなストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)に激しく心を動かされる。ストーリーは、自分は「ブルー・ワールドから来た」と言うのだが・・・。
「シックス・センス」で社会現象的ヒットを飛ばしたM・ナイト・シャマラン監督の最新作。主演は「サイドウェイ」のポール・ジアマッティと、シャマラン監督の前作「ヴィレッジ」のヒロイン、ブライス・ダラス・ハワード。
シャマラン監督作の感想ほど難しいものはない。「シックス・センス」であれだけの衝撃を与えてくれた監督だから、今度はどんな秘密が隠されているのだろう?と、誰もが期待して新作を観に行くだろう事を考えると、あまりストーリーに触れてしまうのはもちろん、これがファンタジーなのかミステリーなのかを明かすことさえ罪になりそうな気がしてしまう。
だから内容についてのコメントは避けるとして、とにかく本作でもシャマラン監督の基本形は健在。物事はすべて偶然ではなく深い関わりを持ち合ってそこに存在する、という一貫した思想はもちろん、緊張感ある画面や密度の高い編集も相変わらずで、シャマラン作品のファンならばかなり納得いく内容だと思う。
そして主演のポール・ジアマッティが最高!予告編でポール・ジアマッティが出ると知った時には、これは期待できそうだとわくわくしたが、クライマックスでは期待以上の熱演を見せてくれて大満足。相手役のブライス・ダラス・ハワードの透き通るような肌の白さ、ちょっと現実ばなれした長い髪が醸し出す神秘的な雰囲気も素敵。
またアパートの住人たちが力を合わせてストーリー(「ストーリー」というのがブライス・ダラス・ハワードの役名なのだ・・・)を助けるのだが、演じているのは「バスキア」をいつも思い出してしまうジェフリー・ライトや「カポーティ」などの名脇役ボブ・バラバンといった個性派の顔もちらほら。
しかし、これまでのシャマラン映画とは違い、今回はストーリーテリングの重要な部分を映像ではなく言葉に頼っている。ミステリーの鍵になる事を畳みかけるようにセリフだけで進めていくので、それを上手く消化できるかどうかでこの映画を楽しめるかどうかが決まってしまうかも。
自分はかなり消化不良だったが、シャマラン作品は後から何度も思い起こして段々と自分なりに完結していくような見方がいいと思っているから、今のところはそれで構わないのだが、現時点では映画としての評価には苦しむところ・・・。
本作はシナリオの段階でディズニーに受け入れてもらえずにワーナーで撮っている。その裏話も含めて、制作中のシャマラン監督の追ったノンフィクションが公開と同時に出版された。(“The Man Who Heard Voices: Or, How M. Night Shyamalan Risked His Career on a Fairy Tale” by Michael Bamberger) 映画のシーンを思い出しながら、今それを読んでいるところだ。