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» USPSのマーケティング [ Journal ]

USPS (Unites States Postal Service、つまりアメリカの郵便局) のオフィスから電話あり。
うちの会社が7月4日(独立記念日)にも営業するつもりかどうか問い合わせて来たのだ。もし営業しているならUSPSはいつも通りに小包のピックアップに来ることになるし、休みならピックアップ不要になるので、事前に確認しておきたかったのだろう。

こっちは、さすがに7月4日はUSPSも完全休業だろうと思っていたのでちょっとビックリ。もちろん街の郵便局の窓口はお休みだが、Fantasium のように大口契約しているビジネスの場合は扱いが別なので、基本的には祝日でも荷物を取りにきてくれるらしい。

ところで、今日はとあるマーケティング・リサーチ会社に招かれて、USPS国際郵便の利用者対象のリサーチに参加してきた。ビジネスで書類や小包を海外に発送している会社の管理者10人を集めるので、質問に答えてもらったり、テーブル・ディスカッションをして欲しいという依頼の電話が2週間ほど前にかかってきて、いまひとつ何をするのか分からないまま、異業種ではどんな方法で海外発送の実務をやっているのか興味があったので参加することに。

場所はミッドタウン、パブリック・ライブラリー(公共図書館)近くの大きなオフィスビル。受付で名前を告げてIDを見せると、奥の方に案内された。廊下の隅に椅子が並んでいて、傍のカウンターには、ひからびたサンドイッチ、まずいコーヒー、体に悪いソーダ類。まずいコーヒーを飲みつつアンケート用紙に答えを記入していると、徐々に他の人達も集まってきた。

どういう基準で自分たちが選ばれたのかは不明だが、とにかくニューヨークから海外に何かしらを発送する仕事についている人間が10人揃った。白人4人、黒人2人、ヒスパニック系1人、アジア人1人(自分)、人種不明が2人と、ニューヨークの人種構成を見事に反映したメンバー。年齢は20代〜40代。このうち3人が明らかに肥満だったのも驚きだ。この暑さではスーツを着ている人がいないのも分かるが、ワイシャツなど一応ビジネスの服装をしている人は半分ほど、あとはTシャツスタイル。

みな揃ったところでそれぞれ自分の名前が書かれたカードを渡され、立派な会議室に案内された。楕円形のテーブルを囲んで席に着くと、今日の進行を務めるリサーチ会社の担当者がやってきて、この会合の趣旨について説明してくれた。

それは、USPS国際郵便の現状についての生の声を聞きたいのと、今後、USPSが検討している新サービスについて意見を聞きたい、ということなのだ。会議室の壁には警察の取り調べ室にあるようなマジックミラーが張ってあり、その向こう側の隣室にはUSPSのお偉いさん方が揃っていて、自分たちの話を聞くのだという。もちろんこちらから向こうは見えない。
USPSもこんな真剣なマーケティングをするのかと感心したが、あのマジックミラーはどうも居心地を悪くする・・・。

が、そんなこともすぐ忘れて話し合いに熱中した。ニューヨーカーが10人も揃えば、こうなるだろうと想像がつきそうな展開。つまり皆が話したがりで、同時に隣の人と勝手に会話をするので、進行担当はなかなか適切な意見を引っ張り出せないのだ。

意見を言いたい時にちゃんと手を挙げて指名を待ったり、他の人が話を終えるタイミングを待って切り出していたのは私だけ、あとの人はばらばら好き勝手に話す。

企業勤めで書類を世界中に送付する仕事の担当者から、インディ系のミュージックCDレーベル会社のオーナー、小さな出版社、Hip-HopのTシャツ屋、ドラッグ・リハビリの教材の販売、アパレルのパターンやサンプルを送付する仕事をしているという人、怪しいアダルトビデオ(?)を売っているeBay業者、工具類の販売店まで、バラエティに富んでいる。

Hip-HopTシャツ屋は(着ているものももちろんHip-Hop) 、携帯電話が鳴れば構わず出てしゃべり出す。eBay業者は自分が得になる情報についてだけ、他の人にも熱心に質問しまくって話を逸らす。インディCDオーナーは質問をちっとも理解せず、「今の質問何だっけ?」と毎回問い直す。アパレル屋は手渡された資料を読まずに自分の思い込みだけで勘違いして長々と話をする。ドラッグ・リハビリ教材屋は、自分が少数意見にも関わらずなぜかそれに固執して話を元に戻してしまう・・・などなど。進行係は彼らの暴走を抑えるのに必死。

果たしてこのディスカッションがこれからのUSPSのサービス向上に役立つのだろうか?とちょっと不安にさえなった・・。

USPSが検討しているサービス改革のドラフトも見せてもらった。サービスのカテゴリを減らしてよりシンプルに、便利にしたいというのが主な改革案のようだ。

USPSでは現在、国内郵便と国際郵便で全く違うサービスを用意しており、それぞれの規約も少しずつ違って利用者にはとても分かりにくい。名前が似ていながら、所要日数、トラッキングの有無、配達時にサインの必要の有無などの部分が少しだけ違うというものもある。

改革案ではうちの会社にとっては有利になりそうな部分もあったのは朗報だが、現時点でマーケティング・リサーチをしているというのでは、実行されるとしてもまだ数年先かもしれない。

ただ、集まったメンバーの中で猛反対された提案があった。

USPSが無料で利用者に提供している定型封筒や箱などのサプライがあるのだが、それらは郵便局に置いてあって、手紙や小包を送りたい人が自由にもらって使っていいことになってる。

いくつかある定型封筒や箱は、「アメリカ国内向け」と「海外向け」の指定があって、違う色とデザイン施されている。国内用封筒でエアメールを出したり、その逆も不可だが、国内便か海外便がひと目で分かるという利点もある。それを今後は国内外で統一する計画があるらしいのだ。国内も海外も同じ封筒を使って送れますよ、ということになるらしい。

それに関して今日の面々は一同に「良くない!」と反対。理由は、封筒の見た目が全く同じになってしまうと、郵便局員が国内便と国際便を間違える確率が高くなる、というものだ。局内での仕分け時にその間違いが発生することで配送に遅れが出ることを恐れているのだ。
うちの会社は無料の封筒や箱は使っていないから無関係とばかり黙っていたが、皆の反対の勢いにすっかり面食らってしまった。

他社の発送責任者の話を聞いて実務上の参考にしたいと思って行ってみたのだが、そんなこんなで、ほとんど役に立ちそうな情報は得られず。
面白い人間ウオッチを2時間やってきたようなものだった。

Posted by 尋 at 2006年06月27日 23:12
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