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» 久々の地下鉄通勤受難 [ NewYork ]

連日このブログにNY地下鉄通勤受難日記を書いていたのは昨年の暮れのこと。「いいかげんに地下鉄で無駄な時間を費やすのはまっぴらだ」と考えた結果、効果的な解決方法を見出し、そのおかげでこの数ヶ月間は地下鉄受難をほぼ完全に回避していた。

その解決方法とは、朝のラッシュアワーと思われるこれまで利用していた時間帯を避けて、一時間早く地下鉄に乗って会社に向かう、というだけのことである。これが驚くほどの違いをもたらし、地下鉄が止まらないどころか利用者が少ない分だけ人々の乗り降りにかかる時間が取られないので、同じ距離を早く進行してくれるころが分かった。なんと通勤時間が短縮されたのだ。

が、これで地下鉄受難を回避したと思っていたら、肝心な事を忘れていた。
地下鉄は、朝、会社に向かう時だけでなく、夕方家に帰るためにも乗るのだった(当たり前・・)。
今日は、帰り道での受難である。。。


仕事の帰り、いつものように駅で地下鉄を待っていたが電車はなかなか来ず、待つこと15分。やっと電車が来て乗り込んだ。ちょっと待ったこと以外には別に変わったことはなかったのだが、すぐに社内アナウンスが始まり、どうやら一つ前の駅でトラブルがあって、この路線はしばらく停止していたらしいことが分かった。

復旧直後に乗り合わせるなんて運がいいぞ、と思っていたら予想もつかない災難が。車掌がさっきのトラブルの詳細について大声で車内アナウンスを始めたのだ。スピーカーの性能が悪く声が割れていて、だみ声になっているからものすごい耳障り。これは、地下鉄が止まるよりヒドイ。不快でたまらない。車内中で客同士が顔を見合わせて迷惑だ、という表情をしている。

アナウンスによると、一つ前の駅で何やら警告が発せられ、あれこれ点検していたが問題はなかったのでこうして運行を再開しているとのこと。この遅れのために現在、路線Vは経路を変更しました、と、車内の客には関係のない路線変更の説明までしてくれた。

これで車掌の話し好きに火がついてしまったようだ。

「こんなトラブルの時に備えて、乗り換え駅はしっかり覚えておきましょう。次の駅では6番路線への乗り換えが可能ですが、乗り換えができるのはダウンタウン方面のみですのでご注意を。なぜ、アップタウン方向には乗り換えできないかって?私にはワカリマセン」

と、大音量のまま一人でずっと喋り続けていた。。。

ニューヨークの地下鉄には、乗客以外にも色々な人が乗ってくる。パンハンドラーと呼ばれる物ごいをするホームレス、ストリート・ミュージシャン、ボランティアと称して募金を募る人、自分の描いた絵を売るアーティスト、世の中に何かを訴えたくてスピーチをする人、ラジカセの音楽に合わせてダンスをする黒人の子供たち、バクテンして見せるパフォーマー・・・などなど。

地下鉄で見るとは思えないような情景を沢山見てきたが、地下鉄で聞くとは思えないような車掌のアナウンスには、参った。

ちなみに地下鉄で寄付を募る類いの行為は法律で禁じられている。車掌も好き勝手なことを話してはいかん!とアナウンスにも制限を設けたらいいのではないか?

と考えて、ふと、これまでに何度か聞いたことがある、とある車掌さんの素敵なアナウンスを思い出した。
自分が帰りに乗るコニー・アイランド行きの路線で、ブルックリン側で一部だけ地上に出るところがある。その車掌さんはこの位置に来るといつも、「左手後方にマンハッタンのビル群、右手には夕焼けを背に自由の女神像が見えます。」というセリフから始まって、今まさに通過しているブルックリンのウォーターフロント・エリアの歴史を解説してくれるのだ。

その優しい声に車内の人々は思わず顔を上げて窓の外を見る。自分が暮らす街でありながら、普段はあまり目を止めない風景を、ほんのひとときだけゆっくりと眺めてみる。

そんな、楽しい地下鉄通勤もある。

Posted by 尋 at 2006年06月26日 22:41
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