0614
» ALWAYS 三丁目の夕日 [ Movie ]
英題:Always - Sunset on Third Street
Presented by Japan Society and New York Asian Film Festival
2005年山崎貴監督作品。吉岡秀隆主演。
昨年、日本で巨大ヒットとなった「ALWAYS 三丁目の夕日」をミッドタウンにあるジャパン・ソサエティーに観に行った。今回はニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバルとジャパン・ソサエティーの共同主催で、山崎貴監督も来場。上映後は全員が福引に参加できたり、ドリンクとフード(のり巻き、お団子、ポッキー)のケータリング付きレセプションも行われる素晴らしい企画だった。
ジャパン・ソサエティーのシアターは250席ほどで、映画+レセプションで15ドルのチケットは事前に完全ソールドアウト。当日はキャンセル待ちの列ができるほどの盛況ぶりだった。観客はやはり日本人が多いがアメリカ人も半分近くいる。
午後7:30開始のスケジュールから少々遅れて、ジャパン・ソサエティーのキュレーターであり日本映画翻訳家のリンダ・ホーグラント氏によって山崎貴監督が紹介される。舞台挨拶でリンダさんが山崎監督に質問したのはただ一つ。「どういういきさつでこの映画を監督することになったのですか?」
この質問への山崎監督の答えに会場は大爆笑だった。監督は以前はVFXの製作に関わっていて、その後二本の映画を監督したが、その時のプロデューサーにかなりしつこく「昭和30年代の日本をVFXで再現できるのは君しかいない。」と誘われ、断り続けたもののむこうも諦めないので、前作二本は自分の好きなモノを撮らせてもらった恩返しとばかり、仕方なくこの作品をやることにしたのであって、監督としてではなくVFX技術の方を理由に依頼するなんて失礼な話ではある・・・が、作ってみたら日本中で記録的なヒットにはなるし、両親や故郷の人々からもいい映画だったと大喜びされた・・・という事なのだ。
この映画を撮る事になった理由を聞かれて、本当はやりたくなかったんですよ、と友達と話をするような感覚で答えているあたりに監督の人柄が見えていて可笑しかった。
その監督の気さくな人柄とユーモア、人間愛が溢れんばかりの作品は、期待をはるかに上回る満足度だった。あんなに笑えて、涙したのが不思議なくらい。一つ一つのエピソードは目新しくもなく単純な物語なのに、先の展開はだいたい読めているのに、なんでこんなにじーんと来てしまうのだろう・・・。日本人も、アメリカ人もみな涙していた。
映画が終わった時、たぶん観客の思いは一つだったと思う。こんないい映画をありがとう!という思い。そういう気持ちになれる作品には滅多に出会えるものではない。面白い映画は沢山あるけれど、感謝したくなる映画はそうそうない。作り手と大衆の求めるものがぴったり一致したような映画。
エンドクレジットが終わった瞬間に大拍手となり、会場の隅の方で一緒に観ていた監督が立ち上がってお辞儀をした後にさらに拍手は大きくなり、しばらく鳴り止まなかった。
拍手が終わると、監督が出口の方を向いて、さあ帰りましょうというジェスチャーをしたのでまたまた大笑い。山崎監督はその後のレセプションでも観客に囲まれて大人気であった。
映画の舞台となった昭和30年代は全く知らないけれど、昭和の時代は日本人にとってとてつもなく重く、大切で、懐かしい。そしてインターネットなどのITが存在しなかった最後の時代であり、既に失われた時代でもある。その意味ではアメリカ人にも十分共感できるものがあるだろう。それにアメリカ人には昭和30年頃の今は、今の日本よりも遥かに「日本らしく」見えるみたいだ。
今は地球の反対側の情報もモノもすぐ届くような便利な時代で、アメリカに居ても日本を遠くには感じない気がしていた。が、無意識のうちに憧れの日本として思っているような情景をいきなり見せられたのには衝撃は大きかった。しばらくは在米日本人の間で語り草になりそうだ。







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