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» フルスクリーン盤の楽しみ [ Movie ]

この間、「ブロークバック・マウンテン」のフルスクリーン盤とワイドスクリーン盤のDVDを比較したレビューを書いた。いつもは映画館と同じ画面ワイドスクリーン盤しか観ないのだが、フルスクリーン盤のことはずっと気になっていて、何本かの作品をフルとワイドと並べて同時再生して観てみたら、ワイドには映っていないがフルでは映っている部分が結構あることを発見。今話題の「ブロークバック・マウンテン」で画面比較をしてみたのがこのレビューだ。

フル/ワイド比較はなかなか面白く、これからは好きな映画はフルスクリーン盤も買わないと気が済まなくなりそうになってきた。そこで「プライドと偏見」のフルスクリーン盤を観賞。この作品は「ブロークバック・マウンテン」とはまた違ったところでフルスクリーン盤も一見の価値ありだ。

例えば、舞踏会のシーンでは現場に沢山のエキストラがいるのだが、ワイドでは映っていない人がいたり、画面の隅々まで配置されている小道具類の一部がワイドでは結構切れてしまっているが、フルでは見えている部分がある。

もっと注目したいのが「手の演技」。ワイドでは人物アップになるとどうしても肩の辺りまでしか映らないのだが、フルではもっと下まで映っている。例えば、雨の中でダーシーがエリザベスに告白するシーン。あのシークエンスの途中、手にしていた帽子をエリザベスがちょっと持ち直す仕草がフルでは見えているのだが、ワイドでは帽子はまったく映っていない。完全に顔の表情にだけ集中してしまうワイドとは違い、このちょっとした動きがとても斬新だった。

同じように、シャーロットの家で、コリンズが「キャサリン・デ・バーグ夫人宅に招かれた」とエリザベスに告げるシーンでも、エリザベスが両手をナーバスそうに動かしている様子がワイドでは切れているがフルでは映っている。

もっと驚いたのは、ピンバリーのダーシー家でダーシーがガーディナーを釣りに誘うシーン。話をしながらダーシーが左指を神経質そうに動かしているのが、ワイドでは全く映っていないがフルでは見えている。この場面はエリザベスに拒絶されたダーシーが少しずつ変化を見せ始め、初めて笑顔を見せる重要なシーンだ。ダーシー役のマシュー・マクファディンは前半の硬い表情から一転して和やかな笑顔で見事に演じていたが、ダーシーが本当は緊張を隠そうと一生懸命になっている微妙な心境が、この手の細かい動きに表われている。

俳優はどんなシーンでも全身で演技をしているのだと改めて気付く。その演技をカメラワークによってより劇的に見せるのが映画だが、「映画では不要とされた部分」が見えているフルスクリーンでは隠された表現を垣間見ることができる。

ワイドスクリーンと比べると、フルスクリーンは「お茶の間感覚のTV画面」になることも事実だが、ワイドと比較することで好きな映画をより深く観ることができる。これからは常にワイドスクリーン、フルスクリーンの両方で観てみたいものだ。しかし、それでなくとも本編と特典映像を全部観ると平均4時間ぐらいはかかってしまうDVD観賞。フルスクリーン盤まで観るとなると時間のやりくりが一番の問題かも・・・。

Posted by 尋 at 2006年04月29日 21:46
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