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» 引っ越し、進展あり。 [ Journal ]
朝一番でオフィスビルのマネージメント会社のジェームズに電話。新オフィスの床の改装の見積もりの催促だ。
しばらくしてジェームズからコールバックあり。床のフローリングやタイルをやり直すのは予想外にコストがかかることが分かり、すぐさま断念した。その代わりカーペットを張り直してもらうことに。カーペット代は大家が負担してくれるので、うちの会社の出費はゼロで済むのだ。
と、思っていたらここで問題が。
移転先の前のテナントが引っ越していった際に、そこにあったキャピネットやテーブルを譲り受け、それをそのままそこに置いておいあるのが邪魔になりそうなのだ。さらに、以前のテナントが「後で捨てて欲しい」と言って置いていったデスクが3つある。それも、ジェームズがそこにそのまま置いておいて構わない、と言ったからだ。
ところが今日になって、ジェームズは「家具があるとカーペット屋が手数料を取るかもしれないから、できれば移動した方がいい」と言い出した。こちらは余計なコストがかかっては家具を譲り受けた意味もない。そんなばかばかしい費用は出せるものか、と怒りながら、家具を置きっぱなしにしていい、と言ったジェームズを信じた自分がばかだったと後悔した。
家具を移動しようにも、今のオフィスにはもうこれ以上物を置くスペースはない。あんなに沢山の家具をどうしたらいいのだ。せめて、余計なデスク3つは処分しないと・・・。
と、ため息をついていたら、このビルで清掃などをしてくれる係のサルバドールに会った。すかさず、ジェームズが今になって家具を移動しろと言っている旨を説明。一通り話を聞いてくれたサルバドールは、「何とかするよ。デスク3つはもらい手を探してみよう」と言ってくれた。
その後、壁に塗るペンキとカーペットを選ぶためにジェームズに会いに行く。3年の賃貸契約を結べば、壁は好きな色に塗り替えてくれるし、カーペットも新しくしてくれることになっている。自分一人では不安なので、仕事を中断してもらって他のスタッフも一人、一緒に行ってもらった。
お隣のビルにある、マネージメント会社のオフィスに行く。ここで初めてジェームズとご対面。電話では何度も話していたのだが、これまで会ったことはなかった。ジェームズは声からのイメージとはちょっと違う。俳優で言うと、フィリップ・シーモア・ホフマンを少しこぎれいとした感じ。
そして、何百とあるカラーサンプルの中から、あれこれ悩んだ末、壁の色は「ホワイト・ブラッシュ」に決定。明るいクリーム色だ。カーペットは30種類ほどの中かから落ち着いたベージュ系にする。カーペットも「ローリング・ロック」というしゃれた名前まで付いている。
やれやれ、これでやっと壁と床が決定。来週半ばまでには改装は終わる予定だ。
しばらくして、サルバドールが再度やってきた。彼の表情からして、3つのデスクは引き取り手が見つからず苦労しているのかと思ったら、「もう2個は決まったからあとはまた明日ね」という予期せぬ朗報。サルバドールに大感謝!
同じオフィスビルのマネージメント会社の人間で、ジェームズとサルバドールとでは、こんなにも違う。
ジェームズはテナント管理全般を仕切っているマネージャーで、スーツを着て一日中奇麗なオフィス内で仕事をするホワイトカラーのアメリカ人。一方のサルバドールは、南米からの移民。清掃やエレベーターのオペレーションなどをやってくれるブルーカラーに属する。
サルバドールのように、現場にいる人間の方が日々の状況をよく理解しているから、テナントの身になって動いてくれるし、仕事もかなりまじめに誇りを持ってやっている。彼は今朝は4時半から働いていたという。労働条件は厳しいし、賃金だってジェームズより遥かに低いはずだ。
これは何もジェームズとサルバドールに限ったことではない。あの会社はオフィスの人たちは本当に無責任でろくに仕事をせず、ビル管理の労働者たちはみな勤勉で親切だ。そして、オフィスワークは白人が占め、労働の方はマイノリティの移民が占めている。
アメリカは、勤勉な移民たちによって支えられているという構図がこんなところにも見え隠れてしていると思う。
何はともあれ、引っ越し準備が少し進展した。






