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» ウィスキー [ Movie ]
Whisky
2006/3/21発売 米国盤DVD
2004年フアン・パブロ・レベージャ、パブロ・ストール監督作。アンドレス・パソス主演。
ウルグアイの小さな街で、父親から受け継いだ靴下工場を経営するハコボ(アンドレス・パソス)は、母親の一周忌を機に墓石の建立式を行う計画を立てていた。ハコボはブラジルに移住した弟エルマン(ホルへ・ボラーニ)を呼び寄せると同時に、工場のベテラン従業員マルタ(ミレージャ・パスクアル)に弟が居る数日間だけ夫婦を装って欲しいと頼む。ハコボとマルタは工場でも必要以上の会話を交わさない間柄だが、生真面目なマルタはハコボの頼みを快く引き受けてくれた。
こうして、3人の奇妙な数日間が始まった・・・。
南米大陸の小国、ウルグアイで撮られた映画。ウルグアイ映画というのはこれまで通算60本ほどしか作られていないにも関わらず、第17回東京国際映画祭ではグランプリと主演女優賞に選ばれた話題作。二人の監督は30才という若さだ。
米国盤DVDのジャケット裏の解説には「ジム・ジャームッシュの無表情なスタイルとアキ・カウリスマキのシニカルなセンスが融合」したような作品と書いてある。映画は淡々と一本調子で進む。
本編を観終わった後、良い意味で非常に困惑してしまった。多くの部分を観客の判断と想像力にゆだねているから次々と疑問が湧いてきた。しばらくそれらの疑問について考えているうちに、話のディテールに関わるような部分の疑問は実はあまり重要でないことに気がついた。毎日工場で働くマルタにとって、ハコボの妻のふりをしながら過ごした数日間は人生を大きく変えるほどの一大事だった。それは、ハコボにとっても、久しぶりに母国を訪ねてきたエルマンにとっても同じなのだが、マルタだけはその度合いが少し違っていたのかもしれない。ハコボとエルマンは、あの後、これまでの生活に戻ったのだろうか?エルマンは、ハコボとマルタの嘘に気付いていたのだろうか?・・・考えを巡らせるときりがない。何故だか強烈に後を引く映画だ。
DVDの映像は、非アナモルフィックのレターボックス収録。当初、ざらつきや暗部のツブレが気になったが、段々と内容のめりこむうちに気にならなくなっていった。古ぼけた工場内を映す日々のカメラワークが繰り返し出てくるが、その都度新しい発見がある。音声はスペイン語ステレオ。サントラの印象は非常に薄い。英語字幕は焼き付け。
特典映像には、監督への短いインタビュー、フォト・ギャラリー、一連の海外作品DVD「The Global Lens Collection」の紹介、そのシリーズの予告編を収録。
タイトルの「ウィスキー」の意味が分かった時には「そういうことか!」と思わず口に出してしまった。様々な意味で示唆深い作品だが、アメリカではなかなか注目されないのも事実だ。数ある米国盤新作DVDの中に埋もれてしまう類いの一本だ。東京国際映画祭で話題にならなければ、今回観賞することもなかっただろう。アメリカはもっと身近な海外作品にも目を向けて欲しいものだ。






