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» ブロークン・フラワーズ [ Movie ]

Broken FlowersBroken Flowers
2006/1/3発売 米国盤DVD
2005年ジム・ジャームッシュ監督作。ビル・マーレー主演。

コンピュータ業界で成功し、今は悠々自適の生活を送っているドン(ビル・マーレー)は、昔から女性経験は豊富なものの、結婚するほどの情熱も持てず未だに独身を通していた。彼に愛想を尽かした恋人のシェリー(ジュリー・デルピー)が別れを告げて出て行った日、ドンは差出人不明の手紙を受け取る。20年前の恋人からと思われるその手紙には、ドンには19才になる息子がいるという衝撃の事実が書かれていた。推理好きの隣人ウィンストン(ジェフリー・ライト)の強引な勧めで、ドンはかつての恋人たちに会いに行くことにする。謎を解く鍵となるのはピンク色の封筒、タイプライターで打った赤い文字。20年前の恋人の突然の来訪に、女性たちの反応は・・・。

2005年カンヌ映画祭でグランプリに輝いたジム・ジャームッシュ監督作。ミッドライフ・クライシスに陥る中年男を演じさせたらピカイチのビル・マーレーは、「ロスト・イン・トランスレーション」で見せたあの哀れな表情をしながらも、大胆に過去の恋人たちを訪ねて行く。突然の再会にとまどう女性を前に、ドンは彼女が手紙の差し出し人かどうかじわじわと探りを入れる。そこで生まれるちぐはぐな会話と居心地の悪い空気は、思わず吹き出してしまうような可笑しさの連続だ。一見、ただの未練がましい男の行為が引き起こすちょっとした誤解や波紋とか、言葉の選び方を少し間違っただけでお互い気持ちのすれ違いに拍車をかけてしまう滑稽さは、同監督の前作「コーヒー&シガレッツ」を思い出させる巧みな演出。笑いの中にも人間的な暖かさのあるドラマ、フェードアウトの繰り返しでゆったり進む時間もジム・ジャームッシュ流。シャロン・ストーン、ジェシカ・ラング、フランセス・コンロイ、ティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニーと豪華な出演者も見どころだ。

DVDはチャプターガイドも付いていない素っ気ないパッケージングではあるが、画質と音質は申し分ないレベル。インディ作品らしい映像特典は、バスの中の女の子たちの会話の拡張シーン、NGカットを交えた全編コラージュ映像、監督コメンタリー付撮影風景(すべて英語字幕が付いているのが嬉しい)のほか、本作の劇場予告編、アン・リー監督の最新作「Brokeback Mountain」など公開中の新作予告編を収録。

ニューヨークが生んだ才能の一人、ジム・ジャームッシュ監督は、以前Fantasium の事務所があるオフィスビル内でよく見かけた。普通の人々を独特の目線で捕らえ続けるこの監督の映画は、一本観ると次が待ち遠しくなってしまう。カンヌ映画祭グランプリも納得。2005年のベスト10に入れたい一本。

Posted by 尋 at 2006年01月04日 22:58
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